食と栄養

スパイスの健康効果まとめ|体に良い5種の特徴

「スパイスって、香りをつけるだけじゃないの?」

日本で育った私はずっとそう思っていた。自炊はするけれど、使う調味料は塩・胡椒・醤油がメイン。スパイスは「本格的な料理をする人が使うもの」という感覚があった。

でも、ニュージーランドに来て少し考えが変わった。

海外の友人が手作りのピザソースを作ってくれたとき、オレガノをたっぷり入れていた。食べてみると、トマトソースなのに味の奥行きが全然違う。「香りがついているだけ」とは明らかに違う感覚だった。

それから少し調べてみると、スパイスには体に働きかける成分が含まれているという研究が思ったより多くあった。同時に、「なぜ日本人はスパイスをあまり使わないのか」という疑問も面白かったので、この記事にまとめることにした。

難しい話ではなく、自分が「これなら使えそう」と思えた視点で書いている。

こんな人に読んでほしい

  • スパイスにあまり馴染みがない日本人
  • 食事で健康を少し意識し始めた人
  • 難しいことは抜きに、まず一つ試してみたい人

なぜ日本人はスパイスを使わないのか

これには、はっきりした理由がある。

ヨーロッパでスパイス文化が発展したのは、主に肉の保存や臭み消しのためだったといわれている。気候的に肉が腐りやすく、長距離の輸送も必要だったため、スパイスは実用的な必需品だった。

一方、日本は新鮮な魚や野菜が手に入りやすい環境で、醤油・味噌・みりんなどの発酵調味料で旨味を出す文化が発達した。スパイスを大量に使う必要がなかったのだ。

日本のスパイスの使い方は「薬味」として仕上げに少量添えるスタイルが主流だった。わさび、生姜、山椒、七味唐辛子——これらも立派なスパイスだが、複数をブレンドして料理に深みを出すという発想は根付かなかった。

「スパイス=辛い」というイメージも、使われにくい原因の一つかもしれない。実際には世界で使われるスパイスの中で辛味を持つものはごく一部で、香りと風味がメインのものがほとんどだ。

スパイスが体に良いといわれる理由

スパイスが注目されている理由のひとつが、ポリフェノールの豊富さだ。

ポリフェノールは植物が持つ抗酸化成分で、体内の「酸化ストレス」を抑えるはたらきがあるといわれている。酸化ストレスは生活習慣病や老化に関係するとされており、日々の食事で抑えられるなら、それに越したことはない。

興味深いのは、スパイスのポリフェノール含有量が野菜や果物と比べても非常に高いという点だ。少量でも、体への働きかけが期待できるといわれている。

また、カレー粉を使った食事と酸化ストレスの関係を調べた研究では、カレーを食べた場合に食後の酸化ストレスが抑えられ、スパイスの量が多いほどその効果が顕著だったという報告もある。(※個人差があり、医療的な効果を保証するものではない)

体に良いといわれるスパイス5種と特徴

「これが最強」ではなく、それぞれ得意なことが違う。自分の食生活に合いそうなものを一つ選ぶだけで十分だと思っている。

スパイス主な働き(研究より)使いやすい料理
ターメリック(ウコン)抗酸化・抗炎症カレー・スープ・炒め物
オレガノ抗菌・抗炎症ピザ・パスタ・トマト料理
シナモン血糖値調整・血流改善コーヒー・ヨーグルト・スープ
ブラックペッパー栄養吸収を高めるほぼ何にでも
ローズマリー抗酸化・記憶・集中肉料理・ポテト・スープ

ターメリック(ウコン)

カレーの黄色い色素の正体がターメリックだ。カレー粉を使っているなら、すでに口にしていることになる。

主成分のクルクミンに抗酸化・抗炎症作用があるといわれており、アルツハイマーの予防との関連を調べる研究も行われている。ただし、そのままでは吸収されにくいという点が課題で、ブラックペッパーと一緒に摂ると吸収率が上がるという研究もある。

カレー粉に黒胡椒を追加するだけで、理にかなった組み合わせになる。

オレガノ

NZの友人のピザソースで初めてちゃんと意識したスパイスだ。カルバクロールという成分が抗菌・抗炎症作用を持つといわれており、ハーブの中でも抗炎症効果に関する研究が比較的多い。

乾燥オレガノはスーパーで安く手に入る。トマトソースやオリーブオイルとの相性がよく、使い始めのハードルが低い。

シナモン

コーヒーに少し入れるだけで香りが変わる。私はたまにリンゴと食べる。

血糖値の調整や血流改善との関係を調べた研究があり、高い抗酸化作用も持つといわれている。毛細血管を保護する成分が含まれるという報告もある。ただし大量摂取には注意が必要で、少量を日常的に使う程度が現実的だ。

ブラックペッパー(黒胡椒)

日本でも最も馴染みのあるスパイスのひとつ。実は「それ自体の健康効果」より、他の栄養素の吸収を高めるという点で注目されている。

主成分のピペリンは、ターメリックのクルクミンをはじめ、様々な栄養成分の体内吸収を助けるといわれている。毎日使うものだからこそ、意識して使う価値がある。

ローズマリー

肉料理やポテトに使われることが多いハーブだ。ロスマリン酸という成分が強い抗酸化作用を持つといわれており、記憶力や集中力との関連を調べた研究もある。

生でも乾燥でも使えて、料理に加えるとそれだけで「手が込んでいる」ように見える。

まとめ

スパイスは「難しいもの」でも「本格料理のためのもの」でもない。

日本人がスパイスを使ってこなかったのは、そういう文化が必要なかったからで、和食の発酵文化と優劣があるわけではない。ただ、現代の食生活に取り入れる余地は十分にあると思っている。

カレー粉を使っているなら、すでにターメリックを食べている。そこに黒胡椒を少し足すだけでも、スパイスを「意識して使う」ことになる。

気になったものが一つあれば、次の料理で試してみるくらいでちょうどいい。

※この記事は個人の体験と調査に基づくものです。医療・栄養のアドバイスではありません。気になる方は専門家にご相談ください。

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