「ダイエットのために脂質を減らしていたら、いつのまにか生理が来なくなっていた」
そんな経験がある人は、意外と少なくないかもしれない。運動量を増やしながら脂質を控えていた時期、私自身にも同じことが起きた。特別深刻には考えていなかったけれど、運動を減らして食事量を増やしたらまた生理が戻ってきた。
この記事では、脂質と女性ホルモンの関係を仕組みから解説しながら、自分の体験を正直に書く。「脂質は太るから減らすべき」というイメージを持っている人に、少し違う視点が届けば嬉しい。
こんな人に読んでほしい:
- ダイエットのために脂質を極端に減らしている人
- 生理不順や、生理が来ないことがある人
- 「脂質=太る」というイメージを見直したい人
脂質と女性ホルモンの関係
脂質は女性ホルモンの「材料」になっている。これが一番伝えたいこと。
| 体の状態 | 起きていること |
|---|---|
| 脂質を十分に摂れている | コレステロールを材料にエストロゲンが作られやすい |
| 脂質を極端に減らしている | ホルモンの材料が不足し、分泌が乱れやすくなると言われている |
| 運動量が多く、エネルギー不足が続く | 体が「省エネモード」に入り、生殖機能を後回しにすることがあるといわれている |
| 脂質を戻す・エネルギー不足を解消する | ホルモンバランスが整い、周期が戻ってくることが多いとされている |
脂質が女性ホルモンの材料になる仕組み
コレステロールからエストロゲンが作られる
女性ホルモンの代表格であるエストロゲンは、コレステロールを材料にして体内で作られると言われている。コレステロールというと「悪者」のイメージを持つ人も多いかもしれないが、ホルモンの材料としては欠かせない存在。脂質を極端に減らす食生活が続くと、この材料そのものが不足しやすくなる。
体脂肪も、排卵に関わっているらしい
体脂肪率が一定以下になると、排卵や月経が起こりにくくなるという報告がある。皮下脂肪から分泌される「レプチン」というホルモンが、脳の視床下部という部分に働きかけ、女性ホルモンの分泌をコントロールしていると言われている。脂肪が少なくなりすぎると、このレプチンの分泌も減り、脳が「今は繁殖に適した状態ではない」と判断してしまう可能性があるようだ。
エネルギー不足は「省エネモード」のスイッチになる
運動量が多いのに食事の量やエネルギーが追いついていない状態が続くと、体はエネルギーを節約しようとする。生殖機能は、生きていく上で最優先ではない機能として、真っ先に後回しにされやすいと言われている。「生理が来ない」という状態は、体からすると理にかなった防御反応なのかもしれない。
つまり、脂質の不足そのものと、運動量に対してエネルギーが足りていない状態が重なると、女性ホルモンのバランスに影響が出やすい、ということになる。
自分の体験
運動量を増やしていた時期、「脂質は太る」というイメージがあって、意識して減らしていた。揚げ物はもちろん、オリーブオイルも控えめに。そんな生活をしばらく続けていたら、いつのまにか生理が来なくなっていた。
当時は「そういうこともあるか」くらいの感覚で、そこまで気にしていなかった。でも食と体の仕組みを調べるようになって、脂質とホルモンの関係を知ってから、食事量を増やして脂質も意識して取るようにした。そうしたら、また生理が来るようになった。
今は足首を痛めていて、当時ほど運動をしていない。だから「脂質を戻したから」なのか「運動量が減ったから」なのか、正直どちらが決め手だったのかは証明できない。でも、脂質を極端に減らしていた期間と、生理が来なくなっていた期間が重なっていたのは事実。
「脂質を減らせば痩せられる」という単純な話ではなかった。
大切なお知らせ
ここで一つ、正直に伝えておきたいことがある。生理が3ヶ月以上こない状態が続いている場合、自己判断で食事だけを見直すのではなく、婦人科を受診する方がいいかもしれない。生理が来ない原因は脂質不足だけでなく、他の要因が関係していることもある。この記事はあくまで食事の観点からの一つの視点として読んでほしい。
脂質との付き合い方|今日からできること
「たくさん摂らなければ」ではなく、「避けすぎない」という感覚で読んでほしい。
① 良質な脂質を、毎食少しずつ
オリーブオイル、ナッツ、アボカド、青魚、卵など。特別な食材ではなく、いつもの食事に少し足すだけでいい。脂質を「悪者」として避け続けるより、質を意識しながら取り入れる。
② 運動量と食事量のバランスを見直す
運動量を増やすときは、それに見合った食事量も一緒に見直す。「運動を増やす」と「食事を減らす」を同時に進めると、体への負担が大きくなりやすい。どちらかを変えるときは、もう一方も一緒に見ておくくらいの意識でちょうどいいかも。
③ 生理周期の変化を、責めずに観察する
生理が遅れたり来なかったりすると、不安になったり自分を責めたりしてしまうこともあるかもしれない。でもそれは、体が「今は無理をしている」と教えてくれているサイン。最近の食事や運動量を振り返ってみるのもひとつの方法。
まとめ
- 脂質はコレステロールを介して、女性ホルモン(エストロゲン)の材料になっている
- 体脂肪が少なくなりすぎると、排卵や月経が起こりにくくなることがあるといわれている
- 運動量に対してエネルギーが不足すると、体は生殖機能を後回しにすることがある
- 脂質を減らせば痩せられる、という単純な話ではないかもしれない
- 生理が3ヶ月以上こない場合は、自己判断せず婦人科への相談を
脂質は、太る原因としてだけ見られがちだけれど、ホルモンの材料でもある。完璧に理解する必要はないし、完璧に食事を整える必要もない。ただ、脂質を「避けるもの」ではなく「体に必要なもの」として、少しだけ見方を変えてみるところから始めてみてほしい。
※この記事は個人の体験と調査に基づくものです。医療・栄養のアドバイスではありません。気になる方は専門家にご相談ください。