食と体の仕組み

歯の痛みは食事のサイン?間食と再石灰化の仕組み

チョコを食べながら歩く。食べ終わる前に、コンビニでまた新しいお菓子を買う。それを繰り返していると、歯が痛くなることに気づいた。

虫歯だと診断されたわけじゃない。ただ、加工食品やお菓子が続く時期と、歯の調子が悪い時期が、なんとなく重なっている気がしていた。自炊中心の生活に戻すと、その違和感が落ち着く。これは気のせいなのか、それとも仕組みとして説明がつくことなのか、調べてみることにした。

この記事では、食事と歯の関係を「脱灰」と「再石灰化」という仕組みから整理しながら、自分が体で感じてきたことを正直に書く。虫歯の治療法の話ではない。「なぜそう感じるのか」を知るための記事として読んでほしい。

こんな人に読んでほしい:

  • 間食やお菓子が続くと、歯の調子が悪くなる気がする人
  • 加工食品や外食が多い時期に、歯が痛くなった経験がある人
  • 虫歯というより「なんとなく歯が敏感」と感じることがある人

結論:歯は毎日「溶ける」と「戻る」を繰り返している

歯は、一日の中で「溶ける(脱灰)」時間と「戻る(再石灰化)」時間を交互に繰り返していると言われている。歯が痛くなりやすいのは、この振れ幅が大きくなりすぎているサインかもしれない。

タイミング口の中で起きていること
食後すぐプラーク内の菌が糖を分解して酸を作り、pHが急激に下がる
30分〜1時間後唾液が酸を中和し、カルシウム・リンが歯の表面に戻る(再石灰化)
間食を繰り返すpHが下がったまま回復する時間がなくなり、脱灰が進みやすくなる

一言でまとめると:何を食べるかだけでなく、どのくらいの頻度で、どのくらい間隔をあけて食べるかが、歯にとって大きな意味を持つ。

歯が「溶けたり戻ったり」する仕組み|ステファンカーブ

この脱灰と再石灰化の流れを表したものは「ステファンカーブ」と呼ばれている。食べ物が口に入ると、歯の表面のプラーク(歯垢)にいる菌が糖を分解し、酸を作り出す。この酸によって口の中のpHが下がり、pH5.5を下回ると、歯の表面のエナメル質が溶け始めると言われている。

ただし、口の中はそのまま酸性であり続けるわけではない。唾液には酸を中和する働きがあり、個人差はあるものの30分〜1時間ほどで中性に戻っていくとされている。同時に、唾液に含まれるカルシウムやリンが、溶けかけた歯の表面に戻っていく。これが再石灰化だ。(参考:8020推進財団「歯を失ってしまう原因と対策」)

つまり、一度食べたからといって歯がすぐに悪くなるわけではない。問題になるのは、この「戻る時間」が確保できているかどうかだ。

「量」より「頻度」が歯への負担を左右する

ここが、今回調べていて一番腑に落ちた部分だ。歯にとって負担が大きいのは、甘いものを大量に食べることそのものより、食べる回数・間隔の短さだと言われている。

一度にまとめて食べれば、酸性の時間は一区切りで済み、そのあと唾液が中和する時間を確保できる。ところが、少しずつ何度も食べ続けると、その都度また酸が作られ、pHが下がる。前の酸が中和しきる前に次の酸が加わることで、口の中が長時間酸性の状態に置かれ続けることになる。これが「だらだら食べ」が歯に良くないと言われる理由だ。

歩きながらチョコを食べ続けたり、食べ終わる前に次のお菓子を買い足したりする行動は、まさにこの「区切りのない食べ方」に近い。一回ごとの量は少なくても、口の中が酸性のままになっている時間は、まとめ食べのときよりむしろ長くなっている可能性がある。

自分の体験

正直に書く。歩きながらチョコを食べて、それだけでは終わらず、また新しいお菓子を買って食べる。当時はそれを繰り返していた時期があった。まとめて一気に食べるというより、少しずつ、何度も。カロリーは気にしていたけれど、歯への影響はまったく考えていなかった。

そのうち、歯が痛むようになった。何かにぶつけたわけでもない。虫歯だとはっきり診断されたわけでもない。ただ、自炊中心の生活に戻して、外でだらだらお菓子を買い足す習慣が減った時期は、その痛みが落ち着いていた気がする。

仕組みを調べてみて、思い当たることがあった。歩きながら少しずつお菓子を食べ続けるという行動は、口の中を長時間酸性のままにするパターンそのものだったのかもしれない。一回の量ではなく、休みなく食べ続けていたことのほうが、歯にとっては負担だったのかもしれない。

これは診断ではない。歯医者にきちんと診てもらったわけではないので、本当のところは分からない。ただ、食べ方のパターンと歯の調子が重なっていたのは、自分の体で感じてきた事実だ。

今日からできること|3つの視点

「絶対にやめるべき」ではなく、知っておくと選択肢が増えるという感覚で読んでほしい。

① 間食を「区切る」

お菓子をやめる必要はない。ただ、だらだら食べ続けるより、時間を決めて一度に食べるほうが、口の中が酸性のままになる時間は短く済む。歩きながら食べ続ける・食べ終わる前に次を買い足す、という行動を一度見直してみる価値はある。

② 甘いものの後は水を飲む

水を飲む、うがいをするだけでも、口の中に残った糖分が洗い流され、唾液による中和を助けることになる。特別な道具はいらない。

③ 「今日はもう買わない」というルールを作る

意志で我慢しようとするより、環境を変えるほうが現実的だ。この考え方は、砂糖中毒を克服したいと感じていたときにも試したことがある。「家にお菓子を置かない」のと同じで、「次を買わない」という小さなルールが、意外と効果を持つ。

まとめ

  • 歯は毎日「脱灰」と「再石灰化」を繰り返している
  • 何をどれだけ食べたかより、「頻度」と「間隔」が歯への影響を左右する
  • だらだら食べ続けると、口の中が酸性のままになり、再石灰化の時間が確保しにくくなる
  • 完璧にやめる必要はない。まず「区切る」ことから試してみる

歯の痛みが続く場合、原因は食生活だけとは限らない。虫歯や知覚過敏、他の要因が関わっていることもあるので、痛みが続くなら我慢せず歯医者に相談してほしい。この記事はあくまで食生活の観点からの一つの視点として読んでほしい。

完璧にやらなくていい。まず今日、間食を一区切りだけ意識してみることから始めてみてほしい。

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※この記事は個人の体験と調査に基づくものです。医療・歯科のアドバイスではありません。歯の痛みが続く方は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。

  • この記事を書いた人

みのり

はじめまして。 食の情報が溢れすぎている時代に、「なぜそうなるのか」を一緒に考えるブログを書いています。元アトピー、ストレス過食の経験あり。食事で体も心も変わった経験から、食と体の仕組みを独学中。毎日自炊しながら体を実験しています。

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